重要文化財公開「元屋敷陶器窯跡出土品展」
「ウス茶ノ時ハ セト茶碗 ヒツミ候也 ヘウケモノ也」(「宗湛日記」慶長4(1599)年2月28日)。織部茶碗の描写として知られる有名な一節です。土岐市では、織部焼の文献上の初見とされる、この日記が記された2月28日を「織部の日」と制定しています。本展は、織部の日記念事業として、重要文化財・元屋敷陶器窯跡出土品を特別公開するものです。
国史跡「元屋敷陶器窯跡」は、土岐市泉町久尻に所在する大窯3基と連房式登窯1基からなる古窯跡群です。操業は16世紀後半から17世紀初頭で、黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部と続く美濃桃山陶の生産の流れを捉えることができます。とくに美濃最古の連房式登窯で生産された最盛期の織部は、工芸的にもみるべき価値が高いとの評価を受けています。
元屋敷陶器窯跡の出土品は、土岐市所蔵分2,041点、岐阜県立多治見工業高等学校所蔵分390点が平成25年にそれぞれ重要文化財に指定されました。本展では、黄瀬戸や志野、織部などの桃山陶の優品のほか、重要文化財指定の出土品を一挙に公開します。
茶陶生産への転換 ~瀬戸黒・黄瀬戸・志野~
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茶陶生産への転換
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大窯
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小解説:瀬戸黒
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瀬戸黒茶碗
元屋敷東窯
安土桃山時代(16世紀末)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
小解説:黄色瀬戸
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黄瀬戸花入
元屋敷東窯
安土桃山時代(16世紀末)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
黄瀬戸鉢
元屋敷東窯
安土桃山時代(16世紀末)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
華南三彩鉢
中国
明時代
(16世紀末~17世紀初)
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
小解説:志野
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志野茶碗
元屋敷東窯
安土桃山~江戸時代
(16世紀末~17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
鼠志野大鉢
元屋敷東1号窯
安土桃山~江戸時代
(16世紀末~17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
志野大鉢
元屋敷東窯
安土桃山~江戸時代
(16世紀末~17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵
元屋敷窯開窯と妻木氏 ~織部~
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元屋敷窯開窯と妻木氏
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連房式登窯
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瀬戸大窯焼物並唐津窯取立之来由書
貞享3年(1686年)
土岐市指定文化財 -
瀬戸大窯焼物並唐津窯取立之来由書(翻刻)
赤線部分の翻刻 -
小解説:織部
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史実に織部が登場した日
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神屋宗湛日記(写本)
天保年間(1830~44年)
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
織部黒茶碗
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
黒織部茶碗
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
志野織部向付
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
青織部向付
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
総織部陶硯
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
鳴海織部向付
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
赤織部平碗
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
岐阜県立多治見工業高等学校蔵 -
赤織部大鉢蓋
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
美濃唐津花入
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
美濃伊賀水指
元屋敷窯
江戸時代(17世紀初)
重要文化財
土岐市美濃陶磁歴史館蔵 -
昭和の発掘ブームと美濃陶祖奉賛会
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多治見工業学校による発掘
【凡例】
このページは、土岐市美濃陶磁歴史館企画展「重要文化財公開 元屋敷陶器窯跡出土品展」のバーチャル展覧会である。
会期:2022年2月18日~5月15日
・各作品写真のキャプションは、作品名、窯名(生産地)、時代、指定、所蔵者の順に明記した。ただし、所蔵者は公的機関及び団体に限り明示した。
・掲載資料は必ずしも展示の順序と一致しない。また、展示しているが掲載しない資料がある。
・解説文の執筆は当館学芸員が行った。
・掲載写真の無断転載を禁ずる。